『 愛称が3回変わった‘岩2く6111/いすゞTSD40改’ 』

 

  

岩2 く 6111/いすゞTSD40改(川崎航空機工業製)

【写真上‘八幡平樹氷号’】八幡平リゾートスキー場にて:2001年冬撮影。

【写真左下‘八幡平号’】プータロムラにて:2007.11.25撮影。    【写真右下‘浄土ヶ浜号’】奥浄土ヶ浜にて:2011.10.08撮影。

 

全国的な懐古ブームで、その存在が知られるようになった岩手県北バスのボンネットバス。
川崎航空機工業製ボディを載せた1968年式の、それはそれは古いバスです。
岩手は山間地域が多い地形から4輪駆動ボンネットバス‘いすゞTSD’や、6輪駆動ボンネットトラック‘いすゞTWD/HTW’などが各地で活躍。
ボンネットトラックは現在でも材木などを満載して走っているのを見かけますが、
ボンネットバスは経年による廃車や他社への譲渡などで消滅寸前。
現役のバスとしては、岩手県北バスに在籍する『いすゞTSD40改/岩2く6111』が残るのみとなっています。

‘ボンネットバス’と聞くと定期観光路線をガイド付きで案内する『遊覧バス』と思われがちですが、然にあらず。
除籍車を復活させて運行する会社が多い中、『岩2く6111』は昔から変わらず八幡平を走る‘定期路線バス’。
当初は車掌が乗務していたツーマンカー。
それも時代の流れとともに運賃箱・運賃表・バスカード機器が取り付けられ、外観とは裏腹な‘普通の’ワンマンバスになっています。


【写真‘浄土ヶ浜号 ’車内】 2011.10.08撮影。
上にはデジタル式運賃表。
・ 運転席横には運賃箱とバスカード機器(運賃箱左、緑色の機械)が装備されている。 ・

岩手県北バスに晩年まで在籍していたTSD40改は計4台。
それぞれ、4輪駆動バスが活躍した「冬の八幡平」にちなんだ愛称が付けられていました。
‘八幡平雪渓号’‘八幡平雪原号’‘八幡平白銀号’・・・・そして『岩2く6111』は‘八幡平樹氷号’
その後ほかの3台は廃車や他社へ譲渡され、残った同車は名前を‘八幡平号’に変更。
夏季はイベントで借り出される以外、八幡平営業所に居る事が多い『岩2く6111』。
でも冬季になるとチェーンを装着し、八幡平ロイヤルホテル〜松川温泉間で雪の山道を毎年果敢に攻めています。

2011年3月11日に発生した東日本大震災。
東北の太平洋側一帯を襲った大津波は、観光客で賑わう浄土ヶ浜にも甚大な被害を及ぼしました。
岩手県北バスも遊覧船3隻のうち2隻(第12陸中丸/第15陸中丸)を失い、一時は船舶事業の存続も危ぶまれたほど。
ですが、残る第16陸中丸一隻で7月16日から運航を再開。
例年に比べて大幅に減少した観光客も、徐々に戻りつつあります。
夏は車庫に入っていた『岩2く6111』・・・・震災復興に一役買おうと宮古まで応援出張。
‘八幡平号’の上にシールを貼り‘(仮称)浄土ヶ浜号’に変身!!
浄土ヶ浜ターミナルビル第一駐車場〜奥浄土ヶ浜間の無料周遊バスとして、7/16〜8/16の毎日と8/20〜10/30の土日祝に運行。
終了後は名前を戻され再び冬の山中にある秘湯での仕事に就きますが、来年も来てくれることを期待したいですね。

木の床に、ちょっと草臥れた感じのビニール張りシート。
古色蒼然とした車内が何となく懐かしい・・・・そんな岩手のボンネットバスに、ぜひ一度会いに来てください。