『 R343特急バス 』
(写真)岩手22き162/いすゞK-CRA580
岩手のバスファンで、この都市間特急を記憶している人も少ないと思います。
岩手県の真中を貫く北上山地。
標高1913.6mの霊峰・早池峰山を最高峰とした急峻な山々・…。
その山脈を越える路線バスは幅の狭い県北部を通る路線を除き、どれも乗車時間2時間前後の長距離路線となっています。
現在引かれている‘北上山地横断路線’を北から並べると
スワロー号(JRバス)・平庭高原線(JRバス)・早坂高原線(JRバス)・106急行(県北バス)・
急行盛岡大船渡線(県交通)・特急一関大船渡線(県交通)の計6本。
他に近年廃止された路線として軽米線(JRバス)・特急盛岡釜石線(県交通)・特急水沢大船渡線(県交通)、
さらに前には特急北上釜石線(県交通)などの名が思い浮かんできます。
写真のバスも10年以上前に廃止となった北上山地横断路線。
大船渡・高田〜一関間、国道343号経由特急便の運用に入っていた岩手22き162/いすゞK-CRA580。
一関営業所にて待機中の一枚です。
『東北の長距離ローカルバス』のところで公開しているPhoto(岩手22き153)と、ほぼ同じアングルで撮影。
No.153の手前に停車していたところをフィルムに納めていたものの、構図が悪かったので蔵入りとなっていた写真でした。
時刻表(岩手県交通配布時刻表・大船渡営業所 1992.11.10現在)
| 停留所名 | ||
| 545 | さかり(権現堂) | 1325 |
| 553 | 大船渡(須崎) | 1317 |
| 559 | 下船渡(宮ノ前) | 1311 |
| 608 | 高木 | 1300 |
| 614 | 高田中央通り | 1254 |
| 623 | 矢作 | 1245 |
| 630 | 二又 | 1238 |
| 653 | 大原(一六) | 1215 |
| 716 | 柴宿駅前 | 1151 |
| 745 | 一関駅 | 1125 |
| スーパー やまびこ 818 |
一関駅 | スーパー やまびこ 1111 |
| 1044 | 東京駅 | 848 |
高田から国道343号・摺沢・県道24号・げいび渓にかけては「今泉街道」と呼ばれる歴史の道。
気仙地方今泉宿と奥州街道山ノ目宿を結ぶ重要な往還でした。
現在は難所の笹ノ田峠も巨大ループ橋のある快適な国道に変わり、
千厩・気仙沼経由より距離・時間とも短いコースとなっています。
R343特急も大船渡〜一関間の時間短縮を考えた便で、
接続新幹線も一日一本だけ一ノ関駅に停車していた「スーパーやまびこ12号/15号」に設定。
大船渡・高田〜東京を最速で結ぶ‘首都圏連絡特急’としての色合いが濃い路線バスだったようです。
平成8年には高田〜一関間に短縮され、結局運行期間10年に満たなかったR343特急。
需要が伸びなかったのは本数が一往復なうえに、経路となった地域の需要が少なかったからでしょうか?
往還の宿場町として栄えた大東町大原の情緒豊かな古い町並み。
笹ノ田峠から望む気仙スギに包まれた柔らかい山々・…。
幻となった特急バスの車窓から見えた風景は、今も変わることはありません。