『 面岸線‘徒歩連絡’記 』

  

(左)岩22か1162/日野KC-RR1JJAA                      (右)岩22あ71/日野U-RB2WGAA

 

2006年のある夏の日、いつもお世話になっている同好の‘村民’こと I さんから連絡がありました。
彼いわく・・・・
『岩手県北バス一戸管内の面岸線、走っている道路が途中地滑りで路線が分断。
その間を徒歩で連絡しているんだけれど、もうすぐ代替道路が完成して通常運行になるらしい。
滅多に体験できない事だし面白そうだから乗車してみないか?』

・・・・との事。
仕事柄、東北地方をくまなく飛び回っている I さんの情報力には脱帽。
ともかく様子が気になったので、8月11日に予定を合わせて出かけてみることにしました。

当日は I さんの自家用車に便乗して、まずは一戸駅前へ。
『確か運行時刻が変わっているハズ』との言葉に、バス停の時刻表示はどうなっているだろうと目を向けると、
ソコにあるのは1枚の張り紙。

・・・・危うく‘徒歩連絡’のチャンスを失うところでした(笑

この頃はまだ運行していた12時47分発・上面岸行き(道奥のローカルバス参照)の中型路線バスに乗車、
いざ‘現場’へと向かいます。
車内は田舎路線に似合わないほどの乗客数。
「イコオSC」を出る時には30名以上乗車する盛況ぶりで、我々2人は狭い通路に立つ羽目に。
(後で乗客の一人に話を伺うと、1日・11日・21日は一戸名物《三齋市》が立つ日だとか・・・・納得)
それも小鳥谷駅を過ぎる頃には席が空き、混雑も一段落。
さて車窓に広がる馬淵川沿いの集落風景でも堪能しようかと腰を落ち着けた矢先、
車内が何か慌しい。

『‘猫も’さん、乗り換えだョ』
えっ!? もうですか?
場所は名子根停留所から狭隘路を少し登った地点、馬淵川支流の面岸川を右に見下ろす所。
地元住民や工事関係者が車を駐車する為、鉄板で強引に崖道を広げた‘転回場’の片隅でバスは停車しました。
運転士氏からアナウンスも説明もありませんが、乗っていた乗客(と言ってもお年寄りばかり)は馴れているのかドンドン下車。
それに続いて我々もバスを降ります。
運賃は下車地までの前払い。
最後に残った運転士氏はと見ていたら、誰も残っていないのを確認してドアをロックすると乗客を追い越し早歩き。
『通行止め区間の先に駐車しているバスへ一番で行って、ドアを開けておかないといけないから』
とは一度‘下見’に訪れ現場を見た I さんの説明。
なるほどねぇ・・・・。

さて噂の地滑り区間。

 

(名子根〜一本木間の地滑り現場。左写真奥が面岸方/右写真奥が小鳥谷方)
(右写真の左端には代替道路が出来つつあります。ちなみに左写真中央の白シャツ姿は‘速歩中’の運転士氏)

道路の崩落は200mくらいでしたが、路肩がゴッソリ面岸川に落ちてしまったのには驚きました。
確かにコレではバスどころか普通車でも通行止めです。
でも乗客達は慌てず騒がずゆっくりゆっくり・・・・写真を撮ったり工事風景を眺めていた私が一番後になりました。
5分ほど歩くと下車したところと同じような広場があって、そこに消防団のトラックと並んだマイクロバスが貸切表示で停車中。
既にエンジンは掛けられ、運転士氏が乗り移り客を待っています。
積み残しが無いのを確認し、軽快な音を立てて再び発車。
何とも長閑な山奥のローカル路線で味わった、何とも貴重(?)な体験でした。

 

* マイクロバスも地滑り区間は通行できないので、おそらく九戸村から超!!狭隘の山越え道路を迂回々送してきたのでは?
運行を継続する為に涙ぐましい努力デス。